2020年6月25日 Drupal 7のEOLについて修正。

2022年2月24日 Drupal 7のEOLについて修正。

Drupalの創始者であるDiresさんが、2018年9月のDrupal Europe 2018の中で、Drupal 7, 8のサポート期限とDrupal 9のリリース情報が発表されました。
発表内容はYoutubeで公開されています。また、Diresさんのブログにも公開されています。

Drupal 7, 8は、2021年11月がサポート終了となります(EOL)。Drupal 9は、2020年にリリースされる予定です。
本来は、Drupal 9がリリースされるとDrupal 7のサポートが終了する予定ですが、今回はリリース後の1年ぐらい期間を設けています。
世界的にDrupal 7の普及率が高く、準備に時間をとった形です。というのも、Drupal 7からDrupal 8の移行は、簡単ではありません。
コンテンツのデータ移行は、migrateツールが整備されてきており、移行は容易になってきていると思います。
しかし、寄与モジュール、カスタムモジュールは、Drupal 7とDrupal8では互換がありません。このため、機能的な移行は注意が必要です。

  • Drupal 7の寄与モジュールが、Drupal 8でもリリースされているかどうか?
  • リリースされている場合、Drupal 7と同等の機能を満たしているか?
  • リリースされていない場合、代替モジュールやCoreの機能で対応できるか?
  • できない場合は、機能自体を切り落とすか、カスタムモジュールとして開発するかどうか?
  • Drupal 7で開発していたカスタムモジュールのDrupal 8への対応

など機能の実現には事前の準備が必要となります。

Drupal 7は、枯れたシステムで寄与モジュールの数も多く、利用されているモジュールによっては、Drupal 8対応に時間がかかるかもしれません。
なお、Drupal 8からDrupal 9へのバージョンアップは比較的容易だという話です。Drupal 9がリリースされてからになりますが、実際のところについては2020年に確認を進めていく必要があります。

サイトの規模や予算確保の時期、コンテンツのリニューアルなど、Drupalのバージョンアップには、様々な調整が必要になってくると思います。
規模が大きいサイトであれば、早めにDrupal 7をDrupal 8にアップデートし、その後に Drupal 9にアップデートする形がスムーズに行く可能性があります。(Drupal 8からDrupal 9へのアップデートが容易の前提)
規模が小さいサイトであれば、Drupal 7からDrupal 9にバージョンアップする形でもよいかと思いますが、2020年にDrupal 9がリリースされた時点で、早めに進める必要があると思います。Drupal 9がリリースされた時に、Coreの機能自体が安定していない可能性もあります。
アップデートの問題なのかそもそものDrupal 9の問題なのかと切り分け作業に時間がかかるかもしれません。

また、バージョンアップするのであれば、インターネットの進歩、技術の進歩もあり、Drupal 7の機能をDrupal 8や9で対応が必要かどうかは再度検討する形がよいと思います。
例えば、InternetExplorer 8や9の対応部分があれば、実現しなくてもよいと思います。そもそも使い勝手が悪いところを見直すことも必要です。
機能の見直しは、コンテンツの移行にも影響が出る可能性があります。

オープンソースを利用する上では、バージョンアップは避けて通れません。ライセンス費用が必要ないですが、古いまま使い続けるとサポートがなくなるという点を注意して、システム自体のバージョンアップ計画を考慮していく必要があります。
今回のように、3年先の予定が明確に示されたこともあり、Drupal 7, 8を利用される方は、すぐにでも予算処置を含めて準備を進めていただければと思います。

最後に大事なこともあり、改めてDrupalのサポート終了およびリリース予定のロードマップは整理します。また、Drupalで利用しているPHPのバージョンについても、サポート期限を明記しておきます。

Drupa 7,8,9のEOL、リリース予定
Drupalバージョン サポート終了,リリース予定 補足
Drupal 9 2020年 リリース予定  
Drupal 7

2021年11月 サポート終了(EOL)

2022年11月28日 サポート終了(EOL)

2023年11月1日 サポート終了(EOL)

 

Drupal 8,9へのデータ移行は比較的容易。モジュールや機能移設は、再度構築する作業となる。

2020年6月24日 コロナウィルスでビジネスに影響が大きく、Drupal 7のEOLを1年延長。

https://www.drupal.org/psa-2020-06-24

2022年2月24日 Drupal 7のサイトが多く、EOLが1年延長。また、今後は1年毎にEOLの見直しを行う予定。

https://www.drupal.org/psa-2022-02-23

Drupal 8 2021年11月 サポート終了(EOL) Drupal 9へのデータ移行および機能比較的容易になる予定。※注
  • 注:2020-02-20 追記
    • Drupal 8からDrupal 9への移行ツールは、Drupal 8.8 or Drupal 8.9 のリビジョンが対象となっています。Drupal 8から移行する場合は、Drupal 8.8以上にリビジョンアップが必要となります。 ​​​​​​
    • ​https://www.drupal.org/docs/9/how-to-prepare-your-drupal-7-or-8-site-for-drupal-9/upgrading-a-drupal-8-site-to-drupal-9

 

PHPのサポート期限

PHPバージョン サポート終了
PHP 7.0 2018年12月3日
PHP 5.6 2018年12月31日
PHP 7.1 2019年12月1日
PHP 7.2 2020年11月30日
PHP 7.3 2021年12月6日